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中国重工業のシンボル 「首都鉄鋼」が操業停止
2011年2月号
建国後、中国重工業の象徴的存在だった北京市の元国営工場「首都鉄鋼」が一月中旬、ついに操業を停止した。大気汚染を防止するため、北京市政府が取った措置。これに伴い、同工場の職員二万二千人が職を失い、市政府は彼らの転職先探しという新たな難題を抱えている。
同工場は、天安門広場から西に約十七キロ行った石景山区にある。最盛期は年産八百万トンを誇り、吐き出す煙は中国重工業ばかりか中国そのものの発展ぶりを示すイメージ作りにも使われていた。
近年はこの煙も北京市内の大気汚染公害の元凶とみなされていたほか、市街地が徐々に拡大し、工場周辺に住宅地が迫ったことから、問題視されるようになった。二〇〇五年、中央政府は、本工場を河北省唐山市に、薄板生産ラインを同市順義へ移転することを決め、これに伴い、石景山区工場の生産量も徐々に減少、最近では年産四百万トンまで落ちていた。
同工場総工会(労働組合)幹部は、職員の処遇について「規模も大きく、時間も切迫しており、職員の権利維持も難しい」と指摘した。実際、職員は北京居住に固執し、唐・・・