「軋み」高まる米中関係
成果なく終わった首脳会談
2011年2月号特別リポート
やはり格が違ったとしか言い様はない。今回の米中首脳会談ではあの手この手を使ってバラク・オバマ大統領と対等の地位を世界に誇示しようと子供じみた努力を試みた胡錦濤主席ではあったが、目指したステータスと実力には差があり過ぎた。第一期のオバマ政権が期待をかけた「中国との良好な関係で国際秩序を形成しよう」とする「G-2」論は消し飛んで、米中両国は経済、安全保障、人権の三点をめぐる攻防戦をこれからも激しく展開するだろう。「G-2」論推進の先兵役を果たしてきたホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)のジェフリー・A・ベーダー・アジア上級部長と国務省のジェイムズ・B・スタインバーグ副長官の影は薄くなった。
「世界で最も重要な二国間関係の背景には友人でも敵でもない不安定なバランスが現実の問題として浮上してきた」とウォールストリート・ジャーナル紙は評した。ただし、会談では取り上げられなかったが、中国の軍事費の仮借のない増大に米国はどう対応していくのかは全くわからない。
米政府、議会、ジャーナリズムなどに沸き上がる中国批判の声を胡主席はどのように受けとめたのだろうか。深刻に考・・・