続・不養生のすすめ 新連載
「健康常識」を疑おう
柴田 博
2011年1月号
柴田 博:医学博士、人間総合科学大学大学院教授、日本応用老年学会理事長。一九六五年、北海道大学医学部卒業。東京大学医学部第四内科医員。東京都老人総合研究所副所長(現名誉所員)。桜美林大学大学院教授(現名誉教授)等を経て、二〇一〇年より現職。
「健やかで長生きをしたい」
世の大多数が抱く願望だろう。人類の進歩は、その多くが長寿を成就するために考え出されたもの、といっても過言ではない。
誰しも病気にはなりたくないし、死は恐ろしい。そうした心の不安につけ込む者は、古今東西、跡を絶たない。とんでもない俗説がまかり通り、インチキな健康法が跋扈する。科学が発展をとげた現代ですら、非科学的な健康常識がデカイ顔をし、逆に医学的エビデンスに裏づけされた真実が非常識扱いをされる。そんな不条理なことが、日本では頻々と繰り返されてきた。
連載の初回ということで、私事を少々書き述べること、ご容赦いただきたい。
私が北海道大学医学部を出て医師になったのは一九六五年のこと。当時の日本は脳卒中、すなわち脳血管疾患による死亡・・・
「健やかで長生きをしたい」
世の大多数が抱く願望だろう。人類の進歩は、その多くが長寿を成就するために考え出されたもの、といっても過言ではない。
誰しも病気にはなりたくないし、死は恐ろしい。そうした心の不安につけ込む者は、古今東西、跡を絶たない。とんでもない俗説がまかり通り、インチキな健康法が跋扈する。科学が発展をとげた現代ですら、非科学的な健康常識がデカイ顔をし、逆に医学的エビデンスに裏づけされた真実が非常識扱いをされる。そんな不条理なことが、日本では頻々と繰り返されてきた。
連載の初回ということで、私事を少々書き述べること、ご容赦いただきたい。
私が北海道大学医学部を出て医師になったのは一九六五年のこと。当時の日本は脳卒中、すなわち脳血管疾患による死亡・・・