市場を冒涜した所作への「咎め」というべきだろう。りそなホールディングスの株価が底ばい状態を続けている。十一月十七日につけた年初来安値四百四十五円から多少持ち直したとはいえ、十二月半ば時点でなお五百二十円前後。一千二百円を超えていた四月初旬の水準と比べると半値以下と、「見る影もない」（関係者）有り様だ。
　原因はほかでもない。「りそな資本再構築プラン」と銘打って十一月五日、細谷英二会長自らが打ち出した最大六千億円にのぼる巨額公募増資計画だ。何しろ六千億円といえば、りそなの時価総額に匹敵する規模。猛烈な希薄化が避けられない、とみた既存株主らがわれ先にと投げ売りに走ったのだ。
　りそなを再び窮地に陥れかねない無謀な再構築プランが、なぜこのタイミングで出てきたのか。勇退への出口戦略を飾りたい細谷会長の強欲―関係者はこう口を揃える。細谷氏は自らの進退について、「（計画の評価には）二、三年という時間は必要」と表向き続投の意向を表明したが、周囲にこれをそのまま受け止める向きはない。

牽強付会な言い分