国会を機能不全に陥れる「参議院」
地方でも問われる議会制民主主義
2011年1月号
後世の史家は、二〇一一年を「日本の議会制民主主義が死んだ年」と振り返ることになるかもしれない。
政治、ことに議会に対する国民の不満は、かつてないほど高まっている。
民主党の若手議員は「駅前で辻立ちをしてもビラを受け取ってもらえないのは当たり前。尖閣諸島沖の漁船衝突事件以降、『売国奴』と罵声を浴びせられたり、つばをはきかけられたのも一度や二度ではない」と嘆く。
〇九年衆院選での民主党圧勝とそれに伴う政権交代は、半世紀以上にわたる自民党中心の「官僚支配」政治を打破してほしいとの有権者の熱い期待で実現した。だが、民主党はものの見事に期待を裏切った。「官僚支配」を打破しようとしたあまり、鳩山由紀夫政権は、根回しや前例を無視した「独走」を繰り返し、自滅した。続く菅直人政権も「仮免許」の政権運営が続き、一〇年夏の参院選で大敗。衆参ねじれによって、さきの臨時国会で政府提出法案の成立率は三七・八%と過去十年で最低を記録した。野党が首を縦に振らない法案はことごとく葬り去られ、機動的な政策遂行は望むべくもない。より深刻なのは、民主党の支持率が急落しても自民党の「・・・