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政治

民主党をダメにした「輿石東」

不毛な党内抗争の元凶

2011年1月号

 民主党元代表・小沢一郎の国会招致問題は、この政党が「脱小沢」「親小沢」に分かれ党内抗争を繰り広げた二〇一〇年九月の代表選時の内戦状態をいまだに引きずっている現状を浮き彫りにした。小沢に衆院政治倫理審査会への出席を求めた首相・菅直人と、その意を受け党内調整を進めた幹事長・岡田克也に対して、小沢擁護の徹底抗戦を挑んだのは菅内閣発足後、代表代行就任の要請を断り政権と距離を置いた小沢の忠実な盟友、参院議員会長・輿石東だった。
 代表選に勝利した菅は、国会運営方針を決める党役員会メンバーから「親小沢」の排除を試みた。小沢の国会招致問題をにらんだ布石だったのは言うまでもない。
 役員会の決定は全会一致が原則。ネックは菅の人事権が及ばず、親小沢派がそのまま残った参院枠の輿石以下三人だった。政治とカネ問題に潔癖な原理主義者・岡田は「話せば分かってもらえるはず」と考えていた節がある。十一月二日の与野党幹事長会談で「今国会中の実現に努力する」と表明したのを機に、岡田は輿石の下に何度も足を運び、役員会決定への協力を求めた。「小沢さんは国会できちんと説明する必要がある。それは世論調・・・