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スーダン南部に新「内戦」の足音

欧米「人権外交」の無力

2011年1月号

 二〇一一年一月九日、スーダン南部で独立の是非を問う住民投票が行われる。日本をはじめとする国際社会が監視団を派遣するこの投票が順調に実施されれば「独立支持」が圧倒的になるのは確実だ。しかし、その後を不安視する関係者は少なくない。ある外交筋はこう語る。
「独立賛成が過半数を超えた後こそ、南部が混沌に陥ってしまう可能性が高い」
 危惧されるのは、これまで言われてきた油田の集中する南部と、その独立を阻止したい北部との「南北内戦再発」ではなく、「南部内戦」だ。ダルフールのような「悲劇」が繰り返されれば、その原因は欧米の無責任な「人権外交」と、中国の独善的「資源外交」にある。
 一九八三年に始まったスーダン南北内戦は二〇〇五年一月九日に調印された包括和平合意(CPA)で終わった。住民投票の実施は、このCPAで約束されている。「調印から六年目のこの日、住民投票を行うことをスローガンに南スーダンは停戦を維持」(援助関係者)してきた。そして、CPAの有効期限は一一年七月九日に迫る。

住民投票で内部対立顕在化

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