西風 355
「関西広域連合」発車オーライ
八木亜夫
2010年12月号
関西七府県は十一月一日、地方自治法に基づく特別地方公共団体「関西広域連合」の設立許可を総務相に申請、順調にいけば今年中に正式発足することとなった。かねて関西財界などがしきりに旗振りしてきたものの、ここまでくるには、ずいぶん手間取り、それでもようやく滋賀・京都・兵庫・大阪・和歌山・鳥取・徳島の七府県議会の承認が出そろった。関東、九州などに先行して、全国初の広域連合となる。
広域連合は、知事の互選で「連合長」を選出、各府県議の中から選ぶ「広域連合議会」もつくる。まずは、七府県で所有する計三機のドクターヘリの活用による医療、防災の広域化、関西全体の観光ルートや通訳制度の設定など、観光の広域化、環境保全、職員研修、資格試験の広域化など計七分野で、できることから取り組むが、最終的な狙いは、国の出先機関の事務引き受けにある。出先機関の原則廃止は決まっているが、省庁は「地方に受け皿がない」として、足踏み状態。広域連合でこれを一気に進めたい。それができれば、関西三空港やら、国道・河川の地元一元管理も見えてくる。土台には東京一極集中への、関西の長年の根強い危機感と焦りがあ・・・