《世界のキーパーソン》武 大偉(中国朝鮮半島問題特別代表)
「瀬戸際」北朝鮮の手綱を握る
2010年12月号
十一月二十三日に勃発した北朝鮮による韓国・延坪島への砲撃は韓国だけでなく、東アジア全域に大きな衝撃を与えた。国連軍の定めた北方限界線(NLL)という長年の既定事実を突然、無効と主張し、実力行使に出る発想は、周辺国はもちろん世界を困惑させている。
そうした予想外の行動を常とする国家をコントロールし、暴発や混乱、地域の不安定化を避ける役割を担っているのが中国であり、その指揮官となっているのが武大偉・朝鮮半島問題特別代表(六十三歳)だ。
言うまでもなく、武代表は二代前の駐日中国大使(二〇〇一~〇四年)で、日本ではよく知られた中国外交官だ。大使を含め三回の日本駐在経験を持ち、日本語も堪能。駐日大使から北京の本省に戻り、アジア担当の外務次官を務めた。その後、年齢から引退時期を迎えていた武氏を胡錦濤国家主席が六カ国協議の中国側代表に任命した。核実験、プルトニウム抽出、弾道ミサイル発射、韓国の哨戒艦撃沈疑惑など世界に対する挑発行為を続ける北朝鮮を抑えるには、駐韓国大使、駐日大使を歴任し、関係国の中枢に直接話のできるパイプを持ったベテラン外交官が不可欠との判断があったからだ。・・・
そうした予想外の行動を常とする国家をコントロールし、暴発や混乱、地域の不安定化を避ける役割を担っているのが中国であり、その指揮官となっているのが武大偉・朝鮮半島問題特別代表(六十三歳)だ。
言うまでもなく、武代表は二代前の駐日中国大使(二〇〇一~〇四年)で、日本ではよく知られた中国外交官だ。大使を含め三回の日本駐在経験を持ち、日本語も堪能。駐日大使から北京の本省に戻り、アジア担当の外務次官を務めた。その後、年齢から引退時期を迎えていた武氏を胡錦濤国家主席が六カ国協議の中国側代表に任命した。核実験、プルトニウム抽出、弾道ミサイル発射、韓国の哨戒艦撃沈疑惑など世界に対する挑発行為を続ける北朝鮮を抑えるには、駐韓国大使、駐日大使を歴任し、関係国の中枢に直接話のできるパイプを持ったベテラン外交官が不可欠との判断があったからだ。・・・