「小澤・内田」を継ぐ音楽家は出るか
待望久しい「世界的スター」
2010年12月号
ポーランドのワルシャワで十月にショパン国際ピアノコンクールが開かれた。五年に一度開かれる世界最高峰のピアノコンクールに、日本からは十七人の若者が参加したものの全員が第二次予選までで姿を消し、一九七五年以来三十五年ぶりに日本人の本選出場者がゼロという結果に終わった。
一方、同じ十月にイタリア・パルマで開かれたトスカニーニ国際指揮者コンクールでは三ツ橋敬子が準優勝。十一月にはパリのロン=ティボー国際コンクール・ヴァイオリン部門で成田達輝が二位、スイスのジュネーブ国際音楽コンクール・ピアノ部門で萩原麻未が一位になるなど好成績が相次ぎ、日本は沸いた。
慶事ではある。だが、これは事情に疎い日本のマスコミによる、度を越したお祭り騒ぎだろう。これらのコンクールは、若手の登竜門ではあっても、入賞者のその後の活躍などを見れば、ショパンコンクールに並ぶものとは言い難い。
「演奏は上手だが、印象が薄い」
これに対し、名実ともに最高峰のショパンコンクール。日本人最高位は一九七〇年の内田光子の・・・