インドで躓くホンダの二輪車事業
現地財閥との合弁が解消の危機
2010年12月号
ホンダの好調な二輪車事業を支えるインドで、異変が起きている。第一報は今年八月、「ホンダがヒーローホンダの合弁を解消か」との見出しで、エコノミックタイムズ紙をはじめとしてインド現地紙が報じた。「ヒーローホンダ」は、ホンダが一九八四年に地元ムンジャル家が率いるヒーロー財閥と二六%ずつの対等合弁で設立。これまで文字通り二人三脚でやってきた。同社はインド国内シェア五割を握り、単体としていまや世界最大の二輪メーカーに成長した。
ホンダの二輪での圧倒的な規模。それはスズキと並び「インド進出の先駆者」として、インド進出の模範例とされてきた。しかし、その二十六年間にわたる二人三脚は、いまや転倒、骨折寸前という状況に陥っている。
主導権を握れない苛立ち
両社の合弁に関わる技術提携契約は十年ごとの更新となっており、次の更新は二〇一四年だが、現在その事前交渉の内容が様々な憶測を呼んでいる。現地紙によれば、「技術提携契約について解消の方向で事前交渉中」「ホンダが持つ二六%の株式取得に向け、銀行から二十億・・・