「みずほ解体」で三井住友が皮算用
金融庁の構想をかぎつけ
2010年12月号
金融庁幹部がみずほフィナンシャルグループ(FG)をめぐり、二バンクモデルの解体、グループの分割譲渡を検討しているという。三月に出された、上場企業役員を対象にした一億円以上の報酬開示を義務付けた内閣府令。これも当時みずほFGで権勢を振るう三会長を排除し、世界金融の潮流になっている巨大金融グループのガバナンス問題にひとつのケリをつける布石だったといわれる。
旧三行のドンが経営の一線から外れてもなお、子飼いが持ち株会社と二つの銀行のトップに居座る。昨年初めて三社の首領が一斉に交代したが、巧みなトライアングル人事を駆使して順送りポストのレールは敷かれ、勢力温存の堅牢な構造が出来上がっている。三人のドンをクビにしても、これではいつまで経ってもまともな企業統治など不可能だ。上場企業の七割と取引関係にあるメガバンクがこの有り様では、国内産業界に悪弊を撒き散らしているのも同然。当局は、みずほに対する強権発動をついに決意したようだ。
密かに社内勉強会を設置
当局のこの動きをいち早く察知したメガバン・・・