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経済

「老い」が始まったソニー

出井・ストリンガーの「大罪」

2010年12月号

 年末商戦に突入した日本の家電量販店の店頭では液晶、プラズマなど薄型テレビが目立つ場所に広く陣取っている。テレビは今もなお日本はもちろん世界のどの市場でも「家電の華」だが、十年前とは大きく異なることがある。消費者がメーカーブランドに基づいて、商品を選ばなくなったことだ。仕様、性能も似通った商品の中で、唯一の選択基準は価格だ。「エコポイント」制度で家電売り上げが刺激されたこと自体が消費者のブランド選好の薄れと価格至上主義を映し出している。
 その最大の被害者は間違いなくソニーだ。少なくとも十年前までは同じ仕様のテレビならばソニーはパナソニック、東芝などに対しプレミアムをつけて販売できていた。消費者にソニー神話が根強く生きていたからだ。
 だが、今やソニーブランドゆえに高いという構図は国内はもちろん北米、欧州、中国など世界のどこの市場をみてもない。せいぜい流通大手などの企画したノーブランド商品に比して高く売れる、という程度だ。

「愉快なる理想工場」の終焉


「今期中のテレビ事業の黒・・・