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経済

GMはもう一度破綻する

オバマが仕組んだ偽りの復活劇

2010年12月号

 十一月十八日、米ニューヨーク証券取引所(NYSE)の取引開始を示すオープニングベルは、いつものようにゲストが打ち鳴らすものではなかった。代わりに取引所に響いたのは自動車のエンジン音。十七カ月ぶりに市場に帰ってきた米ゼネラル・モーターズ(GM)の再上場を祝う特別セレモニーである。公開価格三十三ドルに対しては、すぐに三十五ドル七十五セントの値が付き、結局、この日の引け値は六%高の三十五ドルと上々のスタートとなった。
 売買の九〇%は米国の個人で、中国自動車最大手の上海汽車集団や、中東の政府系ファンドも買いを入れるなど、市場は華やかなムードに包まれた。TVキャスターは「ベスト・オブ・ベスト」と賞賛。「GM復活」との見出しが米国の主要紙を飾ったことはいうまでもない。
「復活」の声が相次ぐのも無理はない。再上場直前の十日に公表された二〇一〇年七~九月期の決算は売上高が前年同期比二一%増の三百四十億ドル、純利益は同二〇%増の二十億ドル。一株当たりの利益は一ドル二十セントとなり、前年同期の七十三セントの欠損から劇的に回復した。これに乗じたGMのダン・アカーソン最高経営責任・・・