近代化を賭ける「ロシア版シリコンバレー」
「ナノテク」を経済の柱に
2010年12月号
「人口三、四万人から成る世界最先端のイノベーション都市をモスクワ郊外に建設する」
メドベージェフ大統領はこう繰り返し、「ロシア版シリコンバレー」の実現に全力を注いでいる。最先端の技術・製品を世界市場に供給し、二〇一五年までに一千億~二千億ルーブル(三千億~六千億円)の売り上げを目指している。
「ロシアでは、この手の話は絵に描いた餅で終わるのが通例だが、どうやら現政権は本気で目指している」
あるロシア専門家がこう語るように、プーチン─メドベージェフの二頭体制は、経済近代化にようやく本腰を入れ始めた。
昨年、ロシアの成長率はマイナス七・九%に転落、「新興発展国」という看板の返上を迫られた。
ロシアは一九九八年にも金融危機に見舞われたが、その後の資源価格高騰により、棚ぼた的に高成長に転じたため、資源依存型経済から脱却するという自己変革は先送りされた。結局、今回も資源価格の再上昇により、今年の成長率は四%台に回復する見込みだ。しかし、「現政権は過去の二の舞いを演じないことを肝に銘じている」(大統領府筋)という。
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メドベージェフ大統領はこう繰り返し、「ロシア版シリコンバレー」の実現に全力を注いでいる。最先端の技術・製品を世界市場に供給し、二〇一五年までに一千億~二千億ルーブル(三千億~六千億円)の売り上げを目指している。
「ロシアでは、この手の話は絵に描いた餅で終わるのが通例だが、どうやら現政権は本気で目指している」
あるロシア専門家がこう語るように、プーチン─メドベージェフの二頭体制は、経済近代化にようやく本腰を入れ始めた。
昨年、ロシアの成長率はマイナス七・九%に転落、「新興発展国」という看板の返上を迫られた。
ロシアは一九九八年にも金融危機に見舞われたが、その後の資源価格高騰により、棚ぼた的に高成長に転じたため、資源依存型経済から脱却するという自己変革は先送りされた。結局、今回も資源価格の再上昇により、今年の成長率は四%台に回復する見込みだ。しかし、「現政権は過去の二の舞いを演じないことを肝に銘じている」(大統領府筋)という。
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