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WORLD

進出企業を悩ます「インド・リスク」

外資を標的にする貧農武装運動

2010年12月号

 十一月に入り、ムンバイ市場の株価指数が史上最高値を更新するなど、引き続き力強い成長を続けるインド。十月後半に訪日したマンモーハン・シン印首相が経済関係強化を打ち出したことで、この「安定した民主主義の親日国」への日本の期待もさらに高まった。すでにインド乗用自動車市場のシェアを大きく握るスズキを筆頭にして、鉄鋼、化学、家電、各種サービス業など日本企業も数多く進出し、日本政府が主導する大型プロジェクト「デリー―ムンバイ間産業大動脈構想(DMIC)」も控える。巨大市場を抱える新興国としては相対的に「カントリー・リスク」が少ない国として、日系企業の進出計画が次々報じられるなか、今回の印首相訪日は、インドが中国に代わる新たな経済パートナーであることを強く印象づけた。
 だがその一方で、インドが現在、内政上の「重大なる脅威」を抱えることは知られていない。来日直前の十月二十二日、シン首相はインド国防大学で「過激左翼武装集団(ナクサライト)の活動が、国家最大の安全保障の脅威である」と明言した。
 

影響下の二十州は別名「赤い回廊」

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