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社会・文化

裁判所こそ「司法崩壊」の元凶

罪深き「検察盲従」

2010年11月号

 大阪地検特捜部の証拠改竄事件は、長年にわたる検察の独善・高慢姿勢と強引捜査が招いた一つの結果にすぎない。過去の事件を調べていけば同様事例がいくつも潜んでいる可能性がある。検察の現下の急務は、検察によって故なき罪をつくられ、奈落の底に突き落とされた無辜の人々の有無を確認することだ。しかし、検察腐敗は検察の内発的理由だけによるものだろうか。刑事司法手続きと法廷の主宰者は裁判官である。検察を“正義„として寄りかかってきた裁判所の罪も軽くないはずだ。

調書裁判主義が冤罪の土壌


 十月初め、大阪地裁は大坪弘道・前大阪地検特捜部長と佐賀元明・副部長への弁護人以外の接見を認めた。二人を逮捕した最高検は接見禁止を請求したが、地裁はこれを退け、最高検は準抗告したものの棄却された。裁判所の判断として異例のことである。接見交通権は弁護人と弁護人以外とで扱いが異なる。弁護人には防御活動のため時間指定等で認められるが、弁護人以外については検察が罪証隠滅の恐れなどを理由に接見禁止請求をすれば、裁判・・・