証取委が狙う「格付け業界」
怪しいビジネスにメス
2010年11月号
「来年は国内の格付け業界が血祭りに上げられる一年になるかもしれない。もっとも今まで無傷だったのが不思議なくらいだが……」
証券会社幹部はそう漏らす。
米国のサブプライム問題に端を発した、格付け会社に対する不信感。国内でも、その「怪しげ」なビジネスモデルに目が向けられ、年明けにも証券取引等監視委員会(日本版SEC)のメスが入れられようとしている。格付け業界のみならず、そこに依存する証券業界全般への影響が注目されている。
マッチ・ポンプ営業も
サブプライム問題で、信頼度の低いローン商品などに高い格付けを付与していたことが判明し、世界の金融当局は「格付け会社」への規制の必要性で一致した。日本でも二〇〇九年六月の金融商品取引法改正で格付け会社の登録制が導入され、証取委が格付け手法の妥当性や対象企業の株式保有状況などを検査することになった。
今年九月、米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の日本法人、ムーディーズ・インベスタ・・・