《罪深きはこの官僚》 伊藤鉄男(最高検察庁次席検事)
検察を「官邸の犬」に貶めた張本人
2010年11月号
尖閣諸島海域で逮捕した中国人船長をあえなく釈放した「首謀者」が、最高検ナンバーツーのこの人物。那覇地検次席検事がやり切れない表情で釈放理由のペーパーを読み上げた哀れな記者会見のその裏で、ペーパーを作成した当の伊藤は、都内でオフレコ会見を開き、「日中関係を考慮した。起訴できるわけないだろう」と番記者を前に得々と語っていた。
刑事処分に政治的理由を掲げるのは言うまでもなくご法度のはずだが、「国策捜査の創始者」たるご仁はお構いなし。那覇の次席検事を証人喚問する国会の動きも、我れ関せずという態度に終始した。一方で、証拠品を改竄・隠蔽した大阪地検幹部たちが逮捕されるたびにカメラの前で殊勝に頭を下げてやり過ごし、自らの保身については余念がない。
伊藤は熊本地検時代、日本で初めて死刑囚が再審で一転無罪となったいわゆる「免田事件」の再審を担当し、冤罪事件の恐ろしさを心に刻んだ。東京地検では刑事部で主に殺人事件を担当、べらんめえ口調の市民派検事は警視庁のデカには大受けだった。
そんな伊藤が豹変したのは法務省会計課長に起用され、政官界と太いパイプを持ってから。二〇〇一・・・
刑事処分に政治的理由を掲げるのは言うまでもなくご法度のはずだが、「国策捜査の創始者」たるご仁はお構いなし。那覇の次席検事を証人喚問する国会の動きも、我れ関せずという態度に終始した。一方で、証拠品を改竄・隠蔽した大阪地検幹部たちが逮捕されるたびにカメラの前で殊勝に頭を下げてやり過ごし、自らの保身については余念がない。
伊藤は熊本地検時代、日本で初めて死刑囚が再審で一転無罪となったいわゆる「免田事件」の再審を担当し、冤罪事件の恐ろしさを心に刻んだ。東京地検では刑事部で主に殺人事件を担当、べらんめえ口調の市民派検事は警視庁のデカには大受けだった。
そんな伊藤が豹変したのは法務省会計課長に起用され、政官界と太いパイプを持ってから。二〇〇一・・・