政党の黒子「党職員」の権力
永田町の知られざる住人
2010年11月号
国会議事堂のある東京都千代田区永田町一丁目には民主党本部が入る三宅坂ビル、自民党本部、社民党本部が集中している。ここに出入りする人種として思い浮かぶのは、「住人」と呼ぶべき、国会議員、議員秘書に加え、霞が関から通う官僚や、メディアの記者だろう。だが、実はもう一つ忘れてならない「住人」がいる。政党の黒子として振る舞う「党職員」だ。長年この地に住みついている彼らは、隠然たる権力を持ち「党官僚」とも呼ぶべき存在である。
「旧社会党系職員」の存在感
今年八月十四日、民主党元代表の小沢一郎は京都市内の料亭で、前参院幹事長の高嶋良充と会談した。日本テレビが独占映像として流した映像に、その場にそぐわない、風采の上がらないサラリーマンのような男がとらえられていた。民主党の財務・経理担当事務局長、西尾利逸である。西尾は旧自由党の職員時代から小沢に忠誠を尽くし、二〇〇三年の合併に伴い、民主党の職員になった。
民主党が受ける約百三十六億円(〇九年)に上る政党交付金は、代表、幹事長時代を通じた小沢の財布・・・