「迷走」菅政権の限界は近い
またまた「短命」の雲行き
2010年11月号
衆院北海道五区の補欠選挙で民主党候補が惨敗した。補選の原因が民主党の前衆院議員小林千代美のスキャンダル辞任だったとはいえ、与党敗北の意味は決して小さくはない。
「菅は選挙に勝てない男だ」
民主党の幹部は吐き捨てた。夏の参院選でも改選第一党の座は自民党に奪われており、菅は政権を担って迎えた二度の国政選挙にいずれも大敗を喫した。
補選だけではない。永田町のプロたちが注目していた選挙があった。同じ十月二十四日に投票が行われた浦安市長選。現職の保守系松崎秀樹に民主党推薦の女性候補が挑んだ。補選と同様、事実上の「民・自対決」の構図だった。浦安はディズニーランドを抱え、東京に隣接する都市型選挙の典型で、選挙戦終盤には民主党の大物が応援に続々浦安入りした。
しかし、ここも現職に及ばず敗退した。菅政権にとって何より痛手だったのは、二つの選挙ともに実質的に「自公協力」が成立していたことだ。
衆参ねじれ国会乗り切りの基本戦略は公明党との部分連合。その目論見が早くも頓挫し始めているのだ。元公明党委員長矢野絢也への叙勲決定をはじめ菅政権の政権運・・・