中朝関係「新蜜月」の意味
強まる戦略的「主従関係」
2010年11月号
北朝鮮が九月下旬の労働党代表者会で、金正日総書記の三男、金正恩氏への権力世襲を柱にした新指導部を決定したことに、中国の胡錦濤国家主席は祝電を送り、強い支持を表明した。八月下旬に長春市で行われた中朝首脳会談で、胡主席は世襲を支持、北朝鮮への食糧など経済支援を約束したといわれていたが、中国の一般ウェブサイト上で疑問の声が広がり、サイト管理者は、当局の指示を受け批判投稿の削除に追われた。
知識人向けのサイト「中国選挙與治理」のアンケートでは、約七割が「政治発展の逆行」、一割強が「将来政治変動が起こる」と答えている。ところが、軍事系や民族主義系のサイトには、「金王朝」支持の投稿が少なくなかった。後継者がだれになろうと、北の体制を擁護することが、中国の道義的責務であり戦略的利益にも合致するといった主張が多数を占めた。
胡錦濤政権は北朝鮮の権力世襲に不安を抱いている半面、北朝鮮への影響力拡大のチャンスにもしようとしている。中国の戦略部門は既に、近づくポスト金正日に起こりうる幾つかのシナリオを描き、対応策の検討を始めたという。
「鮮血で固めた友誼」
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