領海争い続ける東南ア諸国
壮絶なつばぜり合い
2010年11月号
日中間の尖閣諸島を巡る駆け引きが続いているが、東南アジアにも同じ様なの「領有権」「海底資源問題」は存在する。よく知られる南沙・西沙諸島といった「対中国事案」だけでなく、地域内でも起きている。そこでは、日本の「弱腰」とは全く違う強い覚悟をもった、壮絶なつばぜり合いが演じられている。
実効支配を国策で進める
十月七日、シンガポールの南西、マラッカ海峡の南端に近いインドネシア領リアウ諸島州カリムン島沖で操業中だったインドネシア人漁師四人が、マレーシア海上警察の監視船に「領海侵犯、違法操業」の疑いで拿捕、拘束された。
遡ること二カ月前の八月十三日、「インドネシア領海内で違法操業した」として、リアウ諸島州ブラキット海域でインドネシア当局は、マレーシア漁船五隻を拿捕、漁民七人を拘束した。
これに対してマレーシア側はすぐさま対抗措置に出る。同国海上警察はその直後、拿捕された漁船などを追跡しながら同海域を航行中の船を強制的に停船させた。そして、船内にいた非武装のインドネシア海洋・水産・・・