危険性増す「第二のアルカーイダ」
米国が厳戒する「ラシュカレ・タイバ」
2010年11月号
米国は最近、パキスタンのイスラム過激派組織「ラシュカレ・タイバ(LeT)」をアルカーイダと同等か、もしくはそれ以上に危険な存在として認識している。近年、その活動が国際的に広がりをみせており、米国は「第二のアルカーイダ」として警戒を強めている。
今年七月下旬、マイク・マレン米統合参謀本部議長は「LeTの脅威はインドだけでなく、欧米諸国にも広がっている」と警告した。それによれば、LeTは二〇〇八年の終わりごろから、その活動域を欧米諸国や、南アジア全域にまで広げているという。そのなかで同議長は「いまやアルカーイダ以上に世界の平和や安全にとって危険である」とまで言及した。
アルカーイダとの繋がり
LeTは一九八九年にアフガニスタンのクナール州で設立された。中心となったのは、ハーフィズ・サイード師らで、軍事組織としてスタートした。当初、主な活動地域は紛争地帯のカシミール地方だったが、徐々にその範囲を広げ、二〇〇〇年代に入ってからは、域外でも対インドのテロを起こしている。その構成は「数千人規・・・