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WORLD

「脱皮」目論むイスラエル

新たな「立国」のために

2010年11月号

 十月、イランのアフマディネジャド大統領はイスラエルとの国境にほど近いレバノン南部のヒズボラ拠点を訪問し、「シオニストは消え去る運命にある」と挑発した。これに対し、ネタニヤフ・イスラエル首相は「われわれがどのように独立を守るか、そのうちわかるだろう。しかし、平和を望む相手とは握手する」と警告した。
 二〇〇六年のレバノン戦争に事実上「敗戦」したイスラエルは、次の戦争には絶対に負けられない。このため、レバノン南部の戦略地帯に張り巡らされているというトンネルと同様のトンネルを掘り、また、南部の村と同じような集落を建設して、トンネル内や集落内でのゲリラ戦でも互角以上の戦いができるよう訓練しているという。
 超タカ派のネタニヤフ政権からは、このように「いつ戦争をしても勝てる」「必要と認めれば、米国の後ろ盾がなくともイラン核施設を空爆する」といった勇ましい情報が出過ぎている感がある。
 先述の同首相発言は、「イスラエルが本気で戦争したらどれほど強いか、近隣諸国はわかっているだろう。聡明な指導者なら、平伏する他ないと悟っているはず」と言っているととるのが自然であ・・・