無惨な「サルコジ凋落」
歴代「最低」の仏大統領となるか
2010年11月号
九月から始まったフランスでの年金制度改革に対する全国的な波状ストライキやデモなどの抗議行動は、勢いが衰える兆しはない。反体制派のこうした動きが盛り上がるのに反比例するように、大統領ニコラ・サルコジの凋落は目を覆うばかりになっている。
今年七月の世論調査で、「大統領を信頼する」に「ウィ」と回答したのは実に二六%という低率に留まった。逆に「信頼しない」は七一%にも達した。この結果について、調査を行ったTNS Sofres社のティンチェリエ副社長はこう語った。
「就任から三年で支持率が三九%も劇的に減少したのは歴史的」
同社が十月二十日に発表した最新の調査でも、「信頼しない」が一%増えただけだ。今や、「現行の第五共和制で最も不人気な大統領」(同副社長)という汚名が与えられたサルコジ。二〇〇七年五月に社会党の女性候補セゴレーヌ・ロワイヤルを破って当選した直後の支持率七〇%という「人気」は、バブルでしかなかった。
当時選挙戦でサルコジは政策について具体性を欠いていた。ミッテランからシラクへと継承された二十六年の経済の伸び悩みと高失業率について・・・