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連載

西風 353

橋下「大阪維新の会」突撃開始
八木 亜夫

2010年10月号

 

「大阪都」実現をめざす橋下徹大阪府知事の臨戦態勢に、いよいよ本腰が入り始めた。来年の統一地方選の大阪は、どうやら大荒れの様相になりそうだ。
「廃藩置県以来の大改革めざして」自らが代表をつとめる、地域政党「大阪維新の会」は、現在大阪府議会で二十九、大阪市議会十三、堺市議会で七議席というところまでこぎつけた。これを統一地方選で、府市議会とも一気に過半数に持ち込み、大阪都構想に大きく踏み出すのが、橋下知事の宿願。自民党党籍のまま「維新の会」に参加した議員が約四十人いる。はじめは自民党大阪府連(会長・谷川秀善参院議員)も橋下知事との対決を避けて静観していたが、五月の大阪市議福島区補選で、「維新の会」候補に自民公認候補が敗れたことで、ただではすまなくなってきた。やむなく「離党勧告」をつきつけると、四十人は集団離党、自民党は所属議員の半数近くを一挙に失う深刻な事態に直面した。
 九月十五日、大阪のホテルで開いた「維新の会」の政治資金パーティで、橋下知事は、統一地方選一次公認候補約八十人を、金屏風の前にズラリと並べて見せた。現職議員のほ・・・