新生銀行で「A級戦犯」が復権
ちらつく中国マネーの影
2010年10月号
「サンシン銀行」という言葉をご存じだろうか。日本振興銀行、新銀行東京、新生銀行という行名に「シン」の文字が入っている三銀行の経営不振と空振り三振を掛け合わせた造語である。九月十日に発生した日本振興銀行の経営破綻によって、ますます、この言葉が銀行関係者の間で交わされるようになった。
その一角である新生銀行が金融庁から業務改善命令を受けたのは今年六月三十日だった。約三千億円の公的資金を受けていながら、二〇一〇年三月期決算で一千四百一億円もの最終損失を発生させたからだ。〇九年三月期に続く赤字決算であり、結局、それまで社長を務めていた八城政基氏は引責辞任。経営不振下にあっても一億円を大きく超える高給を貪ってきた外国人幹部たちもようやく、この銀行を去った。経営陣は一新となり、今はまさに経営再建の第一歩という段階となっている。
そんな折、この再建銀行の本部にある人物の姿がみられるようになり、一般行員たちを暗澹たる心境に陥らせている。八城氏の前に同銀行の社長を務めたティエリー・ポルテ氏だ。同氏が次々に採用した三流外国人投資銀行マンは、不動産関連ビジネスへのめりこみ、それ・・・