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経済

《企業研究》JXホールディングス

圧倒的シェアのトップ企業

2010年10月号

「ENEOSカードでも給油できます」。JOMOマークのガソリンスタンドにこんな看板が掲げられるようになった。ENEOSマークのスタンドを展開する新日本石油とJOMOのジャパンエナジーが七月一日に経営統合したからだ。それに先だって、新日石とジャパンエナジーの持ち株会社だった新日鉱ホールディングスが四月一日に経営統合し、JXホールディングスという持ち株会社を発足させている。ホールディングスの傘下に石油精製・販売、石油開発、金属など分野別の事業会社がぶら下がる形で、総売り上げ九兆円の巨大グループができあがった。東京電力と関西電力を合計した以上の売り上げを誇る日本最大のエネルギー会社の誕生である。だが、この統合は石油について明るい未来を示しているわけではない。むしろ石油の時代の終わりの始まりを象徴している。

長期衰退の予測が生んだ経営統合


 今年の猛暑は石油業界にとっては干天の慈雨となった。二〇〇五年度からマイナス続きだったガソリン販売が久方ぶりに前年比大幅プラスに転じたからだ。エアコンをかけた車は燃費・・・